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「ULTRAMAN」その2

 前回の続きです。「ウルトラマン」を大人向けにするのは、実はものすごく簡単なんです。

 ウルトラマンを喋らせてしまえば良いのです。
 
 「ウルトラマン」を知らない人は、ウルトラマンが地球の平和を守るためにやってきたと思ってるかもしれませんが、違います。宇宙の墓場に連れていく途中、逃げられたベムラーを追って地球に来たのです。その時、ハヤタの乗るVTOLに激突してしまい、ハヤタを死なせてしまいました。そこでウルトラマンは、ハヤタと合体することでハヤタを救います。いわば偶然で地球にとどまることになったわけです。(冗談で、もしウルトラマンがベムラーを逃がさなければ、次の第二話で地球はバルタン星人の星になっていた、と言われてます)

 偶然、地球にとどまることになったウルトラマンは、科学特捜隊員のハヤタの「地球を守る」という目的が宇宙警備隊員であるウルトラマンの「宇宙の平和を守る」という目的と一致するから、時には変身して宇宙人や怪獣退治に協力するわけです。そして最終回、ゼットンに敗れたウルトラマンは、迎えにきたゾフィに「地球の平和は、地球人の手で守るべきだ」と諭され、ハヤタと分離して地球を去っていくのです。

 ここで大事な点は、ウルトラマンとハヤタは合体して、同じ体に二つの精神が入っているということです。
 ハヤタとウルトラマンとの会話がないのはなぜでしょう? ハヤタでいるとき、ウルトラマンは何を考えているのでしょう? ウルトラマンでいるとき、ハヤタは何を考えているのでしょう?

 ウルトラマンは「シュワッチ!」とか「へアッ!」とか掛声を出しますが、基本的に、主語、述語のある言葉は喋りません。第一話と最終回と、「禁じられた言葉」で「メフィラス星人、宇宙に帰れ」くらいしか喋りません。

 私は、「「ウルトラマン」が子供番組だから、ハヤタとウルトラマンとの会話がない」と考えてます。
 ウルトラマンとハヤタが会話をし始めたら、「この人、なんで一人のときに二人いるみたいに話をしてるの?」と幼稚園児などには内容が難しくなって理解できなくなってしまうはずです。
 だから、意図的にハヤタとウルトラマンは会話しないことになっているのでしょう。

 しかし、内容が高度になっている「ウルトラセブン」では、諸星ダンが宇宙人、ウルトラセブンとしての言葉を話します。代表的なのが「超兵器R1号」での「僕はR1号の実験を妨害すべきだった、地球の平和のために」でしょう。
 また、「帰って来たウルトラマン」も「ウルトラマン」より、内容が大人向けであることは説明するまでもないでしょう。「帰って来たウルトラマン」でウルトラマンは、自分の意思を表明します。第二話「タッコングの逆襲」で、ピンチになったらウルトラマンに変身すれば良いと考えた郷秀樹に反発して、変身を拒否します。

 また、ゆうきまさみの「鉄腕バーディー」が「ウルトラマン」のオマージュ的作品で青年向けであることは説明するまでもないことでしょう。

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 「鉄腕バーディー」もバーディーと千川つとむが会話をします。

 だから、ウルトラマンを喋らせてしまえば、簡単に大人向けになるのです。

 「ULTRAMAN」のスタッフも、ULTRAMANと真木舜一を会話させてしまえば良かったのです。
 (物語の最後の方では会話をするのですが)

 ただ、「ULTRAMAN」のスタッフが、ULTRAMANと真木舜一を会話させなかった理由はちゃんとあるようなんですがね。
 「ウルトラマンティガ」の時、村石宏實監督(「電人ザボーガー」や「電脳警察サイバーコップ」など特撮作品があるものの、円谷の流れからは外れてる人)が、「ウルトラマンにしゃべらせたい」と言ったとき、「ULTRAMAN」の監督、小中和哉氏の実兄である小中千昭氏が「ウルトラマンはしゃべらない」と断っているんだそうです。

 その真意はイマイチ不明なんですが、ここに一種の哲学なり信念なりが感じられます。
 多分、それが理由で「ULTRAMAN」の中で、ULTRAMANと真木舜一を会話させないほうを選んだのでしょう。

 しかし、その結果、「ULTRAMAN」が大人向けになったかといえば、「なっていない」ので、ULTRAMANと真木舜一を会話させてしまえば良かったのです。

 登場人物が暗い顔して眉をひそめてボソボソしゃべってれば、「大人向け」になると思ったのでしょうかね?
 私は、そうは思いません。
 「自分の体の中に宇宙生物がいる」なんて突拍子もない話を簡単に信じてしまう真木舜一の姿はまるっきりコメディでした。
 目の前に宇宙人が現れて、「私達を侵略者から救ってください」と言われ、冗談だと思って引き受けてしまうコメディ映画「ギャラクシー・クエスト」の方がずっと常識的にありそうな展開です。
 
 うーむ、長くなってしまいました。「ウルトラマン」を面白くする方法については次回に続きます。

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