三鷹美術ギャラリー『怪獣と美術−成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術−展』に行ってきました。
成田亨と言えば、知らない人はいないはず。と言いたいのですが、知らない人も多いはずです(笑)。
でも、日本に、この方のデザインしたものを知らない人はいないはずです。
何しろ、ウルトラマンとウルトラセブンをデザインした人ですから。
「ウルトラマンメビウス」は作品的には成功したようですが、商業的には失敗したそうです。
玩具が、あまり売れなかったそうです。
私も「ウルトラマンマックス」は作品的にクソだと思いますが、玩具は「メビウス」より「マックス」の方が売れそうだと思ってました。ただ合体するガンフェニックスより、ダッシュマザーの方が他のメカを内蔵する仕掛けが面白かったので。
しかし、成田亨氏のデザインしたメカや怪獣、宇宙人の方が、今でも富を生み続けています。
その違いが、どこから来るのか?
それはもう……、展示されてる「題不詳」の立体3つを見ただけで、わかります。
物の形を追求する姿勢が全然違うとわかります。
成田氏の書いた文章が、展示されてましたが、自分のデザインした怪獣と宇宙人のデザインと、他の怪獣と宇宙人のデザインとの違いを「それはデザイナーがデザインしたからですよ」と答えてました。
その言葉の意味が「題不詳」の立体3つに具体的に形となって表れています。
もう、これは必見といって良いです。
知ってる人は知ってることで、今更、書くことではありませんが、成田亨氏は円谷プロで、メカや怪獣や宇宙人をデザインしましたが、本業はれっきとした芸術家で彫刻家です。
成田氏は、晩年「どうしても美術が主役としか思えない」と言っていたそうです。つまり「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」という作品は、成田氏による美術がなかったら、存在しなかった、と言いたかったのでしょう。私は、決して美術だけではないと思います。美術だけではなく、ストーリーや演出があってこそ、作品は命を持ったのでしょう。
しかし、やはり、「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」という作品が永遠の命を持ったのは、成田氏デザインによる美術があってこそ、不変性を持ったのかもしれません。……というか、やはりそうなのでしょう。
「ウルトラマンメビウス」が良い作品だと言っても、ガンフェニックスが永遠の命を持つデザインかというと違うとしか言いようがありません。「ウルトラセブン」のウルトラホーク一号は永遠の命をもつデザインです。
デザイナーと芸術家の、物の形を追求する姿勢の違いが、この「題不詳」の立体3つに表れてます。
(今は亡き雑誌「宇宙船」に載っていた話ですが、ファンが自作の「ケムール人」を見てもらおうと、郵送したそうです。すると「腕が折れてたので、新しくつけておいた」と電話がかかってきたそうです。「ああ、そんなもん、接着剤でつけとけば良いです」と返事をしたら、「芸術家は、取れたものを、ただつけるなんてことはしません。必ず新しく作ります(笑)」と答えたそうです。記憶で書いたので、正確ではありません)
その他の作品では、「ゴーガ」の絵が良いですね。
画家としての画力が出ています。
「四次元の宇宙人」という石膏像がありました。「メビウス」にも、こんな宇宙人が出てほしかった。格闘ができなくて、イヤでしょうが(笑)
カネゴンを描いた二枚の絵も哀愁があって良いです。
「四次元の試作」の「星への道」と「星からの道」も良いですね。
残念ながら、成田氏は2002年に亡くなられました。CGの時代に生きてれば、何か作品を生みだしていることを予想される作品です。
「五竜曼荼羅」は、竜一体一体の構図が凄い。
ウルトラ怪獣の造形を担当したシュールレアリスト、高山良策氏の作品も展示されてました。
その中で一番は「異星Ⅱ」ですね。騙し絵のようにいろいろな生物の姿がコラージュされて、一枚の絵になっています。
「かなぶんおやぶん」というオブジェが展示されてました。見た目は深海魚という感じですが。「スペクトルマン」でコンピューター怪獣として使用されたそうです。
私に書けることは、こんなところです。
他の感想は、
どうせ客は、オタクばかりだろうと思ってましたが、ちゃんと芸術っぽい人がいたので、成田亨氏が芸術家、彫刻家として評価されてる、と感じてホッとしました。
三鷹に行くのは久しぶりだったので、様変わりしていたのに戸惑いました。
何しろ「三鷹オスカー」があった頃、以来でしたから。
場所がわかるかな、と思ってましたが、駅を出たら、本当にすぐの所にあったのでホッとしました。
メモが取りたい人は、鉛筆を持って行くようにしてください。
シャーペンでメモしてたら、注意されました。
2007年10月21日までです。
図録やポストカードなども販売されてました
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